畑中 啓作

教授

畑中 啓作

研究課題:脳磁図を用いた脳の基礎研究と臨床応用

KEYWORDS:脳、脳磁図、てんかん、脳虚血、画像診断

応用分野:医療、超伝導、情報

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畑中 啓作

研究の概要

脳磁図と呼ばれる、超高感度磁気センサーを使用して人の脳など生体から発生する磁場を計測する技術をベースに、脳機能解明のための基礎研究から脳病変治療のための臨床応用まで、数学、物理学、工学、生理学、医学といった幅広い手法を用いた学際領域にわたる研究を行っています。

  • 視覚系を中心とした脳機能解明のための基礎研究
  1. 被検者にさまざまな視覚刺激を与え,脳がその情報を処理する活動を行う際に発生する磁場を脳磁計で測定します.脳磁計は受動的に外部からくる磁場を測定する装置で自身からは何も発生しない完全に無侵襲の生体計測装置です.
  2. 得られたデータを画像ワークステーションで解析します.生体にはほとんど磁性がなく磁場は生体を自由に透過できるので,その発生源を正確に推定することが可能です.
  3. 脳磁計は代謝情報をもとに脳の活動を画像化するPETやfMRIが分単位の時間分解能しかもたないのに対し,ミリ秒単位の時間分解能をもつので,脳のなかで情報がいつ,どのように処理されているかを解き明かすのに非常に有効です.

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  • 脳磁計の臨床応用
  1. 脳の仕組みはまだまだ分かっていないので,正常な脳の働きを解明することは,学術的に意義があるだけでなく,臨床医が患者さんの病変の診断を行ううえでも非常に重要です.
  2. 脳磁計は,「てんかん」という脳の機能的な病変の診断において特に効果を発揮すると考えられています.てんかんは脳の異常な電気活動によっておこる,人口の1%を占めるという非常にポピュラーな病気ですが,異常な活動を起こす部位は外見上はほとんど異常がみられないことが多いため,解剖画像による診断は難しく,多くの患者さんはてんかん発作を抑えるために副作用の強い抗てんかん藥を服用しつづける必要があります.脳磁図により脳の異常な活動を最初に起こす部位が診断できれば,脳外科手術によるてんかんの治療が可能となると考えられています.
  3. 脳卒中は日本人の死因の第4位であり,突然死に至らなくても障害を伴う恐ろしい病変のひとつです.脳卒中を起こす前には,一過性脳虚血という軽い脳障害のエピソードがあることがよく知られていますが,当研究室では脳血管が閉塞に至る前に発生するとされている異常な徐波を脳磁計で検出することにより,脳卒中の早期診断を可能とするシステムを臨床機関と共同で研究しています(この研究は通産省(当時)ミレニアム・プロジェクトに採用されました).

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更新日: 2018年4月11日

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