「高速(MeV級)クラスターイオンに関わる研究開発の展望」討論会での研究発表

第52回アイソトープ・放射線研究発表会が2015年7月8日(水)―10日(金)に東京大学弥生講堂で開催されました。7月9日(木)14:15~16:45(150分間)にパネル討論2「高速(MeV級)クラスターイオンに関わる研究開発の展望」というセッションで、金子教授は座長を務めると同時に基調講演「クラスターイオンが物質との相互作用で魅せるモノ」を行いました。クラスターイオンは、複数の原子からなるイオンで、電子、陽子、重イオンに次ぐ第4の量子ビームとして期待されています。60個の炭素原子がサッカーボール状の構造をもつ炭素クラスター(フラーレン)C60は有名です。高速クラスタービームが物質を通過したときに、透過したイオンの電荷の平均値(平均電荷)や物質中の電子にエネルギーを与える割合(電子的阻止能)、物質中から電子を放出する量(二次電子収量)において、単一イオン入射では得られないクラスターとしての独特の効果(クラスター効果)があるという実験データが報告されています。この討論会では、クラスターイオンの作り方(イオン源)やその加速方法、それを使った応用の話など実験の専門家によるデータ紹介と講演が5件ありました。金子教授は、それらの物理的機構の解明を行っている数少ない理論家の一人として今までの成果を基調講演で紹介しました。最後の20分ほどの討論会では、講師6名がパネラーとなって、クラスターイオンの研究開発の将来展望も含めて活発な議論を行い、第4の量子ビームとして技術面および応用面での一層の発展を期待して会を終了しました。(プログラム参照)

 

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